昨年、全米で一大ブームを巻き起こした『ベイビーシャーク』という童謡をご存知でしょうか?まずは聴いてみてください。
韓国では知らない人がいない童謡
テキストを追加するこの童謡は、ドイツの童謡(作者不詳)が原曲とされていて、それを韓国企業のスマートスタディーが運営する幼児や子供向けの教育ブランド「ピンクフォン」(日本ブランド名は「ピンキッツ」)が編曲したものです。
曲に韓国語の歌詞とアニメーションをつけて、2016年にYouTubeで公開したところ、韓国では子供から大人まで幅広く人気を集めました。韓国では人気のあまり、国を挙げての一大イベントである大学修学能力試験(通称「スヌン」)の「禁止曲」となったほどです。TWICEやRed Velvetなど、K-POPアイドルたちにも愛嬌(あいきょう)ソングとして度々披露されています。
※禁止曲というのは、一度聴いたら頭から離れなくなって、受験勉強に集中できなくなるから絶対に聴いてはいけない曲のことです。
韓国語に続いて英語などのバージョンも制作され、全米シングルチャートで32位、全英チャートでも6位を記録するなど、2018年から2019年にかけて世界中で注目を浴びました。万国共通の「トゥールルットゥル」という歌詞とメロディが印象的ですよね。
メジャーリーグで大流行の「シャークダンス」
『ベイビーシャーク』がアメリカで人気となったきっかけは、昨シーズンのメジャーリーグでジェラルド・パーラ選手が登場曲に使用したことでした。曲を選んだ理由は、彼の子供たちが大好きだったからだそうです。パーラ選手が打席に入る時に曲が流れ、球場全体が盛り上がります。曲に合わせて、サメの口のように両腕を上下させる「シャークダンス」も流行しました。その様子がこちらです。テキストを追加する
現在(2020年2月)までに『ベイビーシャーク』の英語バージョンは、YouTubeでの再生回数が45億回という驚異的な数字をたたき出しています。かつて世界中で大ヒットを記録した韓国人歌手PSY(サイ)の『江南(カンナム)スタイル』ですら35億回なので、どれだけすごいかが分かります。
今年は日本でもベイビーシャーク旋風を巻き起こす⁉
昨シーズン、パーラ選手がメジャーリーグで使用したことに続いて、日本のプロ野球でも埼玉西武ライオンズの森友哉選手が登場曲として使用していましたが、大きなブームにはなりませんでした。しかし今年、『ベイビーシャーク』の「元祖」であるパーラ選手が読売ジャイアンツ(巨人軍)に入団したのです。今シーズンは彼の活躍次第ではありますが、読売ジャイアンツの本拠地である東京ドームでシャークダンスが見られることでしょう。
日本語バージョンもすでにYouTubeで公開されていますが、NHKの子供番組「おかあさんといっしょ」で「パント!」のおねえさんを務めていた上原りさによって先月、オフィシャル日本語カバーもリリースされました。もしかすると昨年大ヒットした『パプリカ』のように、子供から大人までを巻き込んだ社会現象になるかもしれません。
Writer:真先燦